モスってなんで飛ぶの?


モスに水中翼がついてフォイリングし始めてから約10年。フォイラーモスの進化とともに、世界中のセールボートが進化してきたと言っても過言ではありません。

僕のホームである葉山新港には10艇のモスが保管されています。週末になると外来モスも集まる日本一のモスフリートです。葉山の皆さんはモスをさすがに見慣れてきましたが、他の水域に行くと多くの方がモスが飛ぶ理由や構造を気にして、集まってきます。
今日は多くの方が気になる、モスの飛ぶ仕組みについて説明します。

Alt_moth_Mach2_Andy●ハル重量=8Kg
モスのクラスルールはとても自由で、主にセールエリアと全長全幅しか決まりがありません。だからこそ、フォイリングするまでに進化することができたクラスでもあります。
フォイリングするためには少しでも軽くなくてはなりません。軽量化するために不可欠なのがカーボン素材です。世界で最も艇数の多いMACH2は全てのパーツがカーボンで作られていて、ハルについては重量なんと8Kg。軽々と1人でカートップできちゃいます。リグやフォイルをセットしても30Kgです。ヨットが体重の半分以下の重さってビックリですよね。

IMG_8539翼を授ける
いくら軽くても翼(フォイル)がなくては飛べません。
よく陸上にいると通りがかりの人が、トランポリンをみながら「よくこの羽で飛ぶなぁ」と言ってたりします。残念ながらトランポリンでモスは飛びません!
センターボードとラダーに水中翼がついていて、水中翼で得た揚力で艇が持ち上げられるのが、正解です。とは言ってもこの水中翼、サイズはたったの90cm。スケボーよりも小さいフォイルでボートスピードが8ノットに達すると気持ちよく飛び始めまます。しかも風は7ノット(3.5m/s)あればOK。なんとも恐るべし、モス。

IMG_8532


wand
●コントロール=3次元の世界
いくら飛べたとしても制御ができなくては、飛び続けることができません。モスのフォイリング制御はすべてアナログのメカで構成されています。
はじめにモスは自艇の高さを感知するためのセンサーが付いています。それが「ワンド」といわれる棒でフォイラーモスの99.9%にこのワンドが付いています。
そのワンドの根本についているのが、通称「バウメカ」。このバウメカがbow-mechワンドのから伝わってくる振り子運動を、前後運動に変える役割をします。

バウメカからの前後の動きは、センターボードの中を通るロッドに連結されます。
ここで前後の動きが、上下の動きに変わり、フォイルのフラップが上下に動く訳です。
center-foil  foil-flap

うーん、ややこしい。こうやってモスは常に水面との高さを感知して、一定の高さで飛ぶ様にある程度自動制御されています。この一連のメカのセッティングがとっても重要です。モスには他のセールボートにはない3次元のチューニングがあり、このチューニングが走り(飛び)を大きく変えます。
モスが飛んで走る構造をご理解頂けたでしょうか。今回紹介したのはメインフォイルの構造のみです。ここが一番複雑な部分ではありますが、他にもモスには細工がいっぱい。こういう細かい作業(ガンプラとかラジコン製作系)が好きな人には、どストライクなオモチャです。

さて、すでに30ノット以上のスピードでフォイリングするモスですが、いまでも日々進化しています。毎年ワールドのたびに新しいアイデアが生まれて、世界中の船がガラッと新しいシステムに変わっていきます。これからも進化し続け近い将来には40ノットを超える日も来るかもしれません。

M1_620

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です